不動産投資をすれば、将来の資産形成ができるのだけではなく、所得税や相続税などのさまざまな税金を節税することが可能です。サラリーマンや公務員の方も確定申告などをすれば節税ができるので、税金に馴染みがない人も不動産投資を始める前にしっかりと節税の仕組みについて理解しておきましょう。
節税の仕組みとは?
不動産投資において、
- 所得税
- 住民税
- 相続税
これら3つの税金を節税することができます。
所得税
所得税は、所得金額に対して課税されます。所得金額が多ければ多いほど、税率が上がり、納める税金も高くなります。
まずは所得税に関わってくる不動産所得について理解しておきましょう。
不動産所得
不動産所得とは、物件の家賃収入から物件に掛かる費用(必要経費)を引いた額のことを指します。
不動産所得 = 家賃収入 – 必要経費
で計算されます。
不動産投資による家賃収入から、固定資産税や修繕費、減価償却費などの必要経費を差引き、その差額が家賃収入を上回ってしまうことを「税務上赤字」といいます。
家賃収入 < 必要経費 ⇒ 税務上赤字
不動産所得が赤字となることで、給与所得などの他の所得との「損益通算」が可能になります。
つまり不動産所得が赤字であればあるほど、所得の合計が少なくなり、所得税が節税できるという仕組みです。
確定申告をすることで「所得税の還付」を受けることができます。
住民税
住民税は、所得税の納税額をもとに算出されるので、損益通算によって所得税を節税することができれば、住民税も節税することができます。
相続税
相続税については現金を不動産に変えることで節税ができます。
現金であればその時価に対して課税されますが、不動産は売買価格ではなく、不動産評価額をもとに計算されます。
不動産の相続税評価額は、およそ実勢価格の70%〜80%で評価されます。
現金を不動産に変えることによって課税評価額が下がりますので、相続税の節税が可能になります。
損益通算によって所得税や住民税を節税することができます。
たとえば、年収700万円のAさんの所得税と住民税の合計は
年収700万円: 所得税 29.65万円 + 住民税 36.35万円 = 66.00万円
となりますが、Aさんが不動産投資で200万円の赤字を出していた場合は
黒字である他の所得との損益通算が可能です。
700万円 – 200万円(不動産所得) = 500万円
この500万円に税金がかかることになります。
年収500万円の所得税と住民税は、
年収500万円: 所得税 13.55万円 + 住民税 23.95万円 = 37.50万円
ですので、不動産投資で税務上200万円の赤字で損益通算した場合、
所得税と住民税あわせて
66.00万円 – 37.50万円 = 28.5万円
節税できたことになります。
節税するには不動産所得が赤字でないといけないの?
不動産所得で赤字を出していないと節税はできないのかというと、実はそうでもありません。不動産投資で黒字を出していたとしても、節税できる方法があります。
それは「減価償却」を利用する方法です。
「減価償却」を有効活用する
減価償却とは建物や機器といった固定資産は時間の経過や使用によって、その価値が減少していくので、
その目減り分を経費として計上しようというものです。
実際に出費する現金が経費として計上できるのはもちろんですが、
減価償却費は実際に支出する費用ではないにもかかわらず、経費として計上することができます。
簡単に説明しますと、、
100万(家賃収入) – 50万(必要経費) = 50万
このように不動産投資で黒字を出していたとしても、
そこから減価償却費を経費として計上してあげると、
100万(家賃収入) – 50万(必要経費) - 80万(減価償却費)= -30万
実際は黒字であるにもかかわらず、税務上不動産所得を赤字にすることができます。
※ただし、減価償却費は年数が経過すると縮小していきます。そのため、いつまでも税務上が赤字の状態を続けられるわけではありません。
まとめ
今回は不動産投資における節税についてご紹介しました。
不動産投資をするうえで、必ずついてくるのが税金の話。
税金の知識を身につけて賢く効果的にお金を残せるようにしましょう。
これから不動産投資をはじめる方に少しでも参考になればと思います。