不動産投資はもちろん投資ですので、リスクがあります。
失敗するリスクをなるべく下げるためにはどうすればいいでしょうか。
今回、不動産投資でよくある失敗事例をご紹介します。
不動産投資のよくある失敗を知ることで同じような失敗をしないようにしましょう。
不動産投資の失敗事例
不動産投資でよくある5つの失敗事例は以下になります。
- 利回りが低すぎる
- 賃貸需要がない
- 借り入れ金額が多すぎる
- 借り入れ期間が長すぎる・短すぎる
- 流動性が低い
それぞれの内容について解説していきます。
利回りが低すぎる
不動産投資の収益は利回りで決まるといえます。
利回りが高ければ高いほど収益も大きく、投資物件としては魅力的ですが、
その分リスクも多くなります。
逆を言えば、利回りが低ければ、それだけ安全性が高いともいえます。
しかし、利回りが低い物件は投資として成り立つのかどうか見極める必要があります。
特に表面利回りは高くても、実質利回りが低い物件には注意が必要です。
失敗事例
都心部における区分マンションへの投資の失敗事例です。
購入金額 | 3,000万円(フルローンで購入) |
ローン金利 | 2.675%(借入期間35年) |
家賃 | 12万円 |
年間収入の見込み | 12万円 × 12ヵ月 = 144万円 |
年間支出の見込み | ローン返済:110万円 経費等:24万円 |
キャッシュフロー | 144万円 – 134万円 = 10万円 |
表面利回り: 144万円 ÷ 3,000万円 = 4.8%
実質利回り: 10万円 ÷ 3,000万円 = 0.3%
利回りについては「不動産投資でよく聞く「利回り」ってなに?」で解説しています。
この場合、入居者が退去して空室になったと途端にキャッシュフローがマイナスになります。
これでは投資として見合わないことがわかると思います。
一般的には都市圏の物件であれば表面利回りと実質利回りの差が小さく、
地方で郊外の物件であれば表面利回りと実質利回りの差が大きい傾向があります。
不動産投資を行う場合は利回りが低過ぎる物件を避けたほうがいいでしょう。
賃貸需要がない
不動産投資は物件を賃貸することで家賃収入を得るのが主な方法です。
当然、物件を借りてくれる人がいて初めて成り立つ投資です。
物件に入居してくれない限りキャッシュフローは発生しません。
失敗事例
近くにある工場の従業員の需要を見込んでアパートを購入。
しかし、工場が移転してしまい全く借り手がいなくなってしまった失敗事例です。
想定していた家賃収入が見込めないばかりかローンの返済などの支出がかかりますので、毎年数百万円の赤字になりました。
賃貸重要があるエリアは競争が激しい分、借り手がいなくなる可能性はほとんどありませんので、家賃や内装など物件を魅力的にすることで収益性を高めることができます。
対して、賃貸需要が少ないエリアは地震の努力で魅力的な物件にしたとしても、 借り手自体が少ないため、問題を解決できない可能性があります。
不動産投資を行う場合は、購入する物件の地域に賃貸需要があるかどうか注意する必要があります。
借り入れ金額が多すぎる
不動産投資のよくある失敗として、借り入れ金額が大きすぎて資金繰りに行き詰まってしまうケースです。
失敗事例
地方の郊外におけるアパートへの投資の失敗事例をご紹介します。
購入金額 | 6,000万円(フルローンで購入) |
部屋数 | 15部屋 |
家賃 | 6万円 |
年間収入の見込み | 6万円 × 15部屋 × 12ヵ月 = 1,080万円 |
年間支出の見込み | 600万円(ローン返済や経費) |
キャッシュフロー | 1,080万円 – 600万円 = 480万円 |
表面利回り: 1,080万円 ÷ 6,000万円 = 18%
実質利回り: 480万円 ÷ 6,000万円 = 8%
利回りについては「不動産投資でよく聞く「利回り」ってなに?」で解説しています。
年間収入の見込みはあくまで「現在の家賃」で「満室」の場合の想定であることに注意です。
将来的に家賃を見なおさなければならなかったり、空室率を見込まなければならなかったりする可能性も必ず想定しておかなければなりません。
仮に家賃と入居率を7割に見直してみると、以下のようになります。
- 年間収入見込み
- キャッシュフロー
6万円 × 15部屋 × 12ヵ月 ×70%(家賃)×70%(稼働率)= 約529万円
529万円(収入) - 600万円(支出) = -71万円
キャッシュフローがマイナスとなってしまいました。
ここに想定していないリフォーム費用などの支出がでてくると、 赤字がさらに増えることになります。
このように表面利回りの高さに惹かれて物件を購入し、 後から様々な要因が顕在化することで資金繰りに詰まるケースです。
こうなってしまった場合、他の収入でカバーできればいいのですが、 そうでないと手の打ちようがなくなります。
借入額が大きくなりすぎないよう、収入や資産から考えて無理のない範囲に抑えたほうがいいでしょう。
借り入れ期間が長すぎる・短すぎる
基本的に投資資金をローンでの融資でまかなう不動産投資において金利や借り入れ金額を気にする人が多いですが、実は借り入れの期間もキャッシュフローや次の借入に影響する重要なポイントです。
たとえば、同じ金利でも借り入れの期間が短いほど毎月の返済額は多くなりますが、その分元本の返済が早くなります。逆に借り入れの期間が長ければ毎月の返済額は少なくなり、元本の返済が遅くなります。
例)
借入金額:5,000万円
金 利:3%
返済期間 | 毎月の返済額 | 5年後の残債 |
10年 | 48万円 | 2,690万円 |
30年 | 21万円 | 4,450万円 |
このように借り入れ期間によって、かなり結果が変わってきます。
ただし、借り入れ期間は短いほうがいいのか長いほうがいいのかではなく、
自分がどのような不動産投資をしたいかによって変わってきます。
早めに売却してまとまった現金が欲しいのであれば借入期間を短くしたほうがいいですし、投資期間の前半でキャッシュフローを大きくして、それを元手に再投資したいのであれば借入期間を長くしたほうがいいでしょう。
流動性が低い
不動産投資は物件を購入したからといってずっと持ち続ける必要はありません。
今の物件より良い物件が出てきたりなど、一度売却して現金化したいときももちろんでてきます。
その際に重要なのが物件の流動性です。
流動性とは簡単に言えば、資産をすぐに現金化できる度合いのことをいいます。
もちろん流動性が高ければ高いほど有利になります。
流動性が低いと環境や状況に合わせて柔軟な行動が取れず、
新たな投資機会の損失や今の投資での損失を避けたり予防したりするようなことが難しくなってしまいます。
流動性が低い物件には手を出さないことが重要です。
まとめ
今回は不動産投資のよくある失敗について書きました。
不動産投資を成功させるためには様々なノウハウが必要です。
そのためには面倒でも不動産投資の専門家が主催するセミナーに参加するなど、
知識を身につける必要があります。
よくある失敗の理由と原因を知り、同じような失敗をしないように気をつけてください。