不動産経営をする上で怖いのが、物件が空室になってしまうこと。不動産経営の利益は入居者からの家賃収入です。空室になるとその家賃収入が得られなくなります。しかし、ローンの返済や物件の管理費などは家賃収入のあるなしにかかわらず支払わなければなりませんので、空室が長引けば支出ばかりが増えてしまうことになります。そんな事態に陥らないためにも空室対策についてぜひ知っておきましょう。
空室対策のポイント
空室対策のポイントとして大きく3つあります。
- 募集条件の見直し
- 室内リフォーム・設備の見直し
- 管理会社に依頼する
それぞれ詳しく説明していきます。
募集条件の見直し
現在の募集条件を見直します。ただし一度にすべてを見直すのではなく、ひとつひとつ反応を確認しながら条件を見直していくようにしましょう。賃料の減額は最終手段ですので、現在の募集賃料で入居が決められるよう工夫していきます。
賃料の見せ方を変える
まずは賃料の見せ方を工夫します。
たとえば、あなたが家賃6万円でマンションを探すときに、賃貸物件のポータルサイトでどのように検索をかけるでしょうか?おそらく、家賃の項目で上限を6万円までと設定すると思います。
仮に募集賃料が6.2万円の物件があった場合、当然ながらこの検索条件ではヒットしません。
ではどうすればいいのかというと、「共益費」を利用し、賃料の見せ方を変えてみましょう。
6.2万円であれば、「家賃5万9000円、共益費3,000円」と表示することで「家賃6万円未満」や「家賃5万円台」の検索条件にヒットさせることができ、より多くの人に見てもらえるようになります。
敷金・礼金を0にする
次に敷金・礼金を0にすることです。
月々の家賃よりも、初期費用が安い物件かどうか気にする人は多くいます。今までとっていた敷金や礼金を0にするだけで反応が各段に良くなります。しかし、敷金を預かっていないので家賃滞納時や退去時の原状回復費用が確保できないリスクがでてきます。家賃の滞納には保証会社に加入するようにすれば、万が一滞納があった場合でも保証会社が家賃を保証してくれます。また、原状回復費用についてもあらかじめ契約書で取り決めしておくなどしっかりと対策を立てておくことでリスクを回避することができます。
初期費用を安くすれば、入居者にとっては転居のコストが大幅に減りますので、より多くの人を呼び込めることができます。
フリーレントの導入
フリーレントは、賃料を最初の1ヶ月無料にしてしまうことです。どちらにしろ空室期間が長引けば家賃収入はないので、それならば賃料を最初の一ヶ月無料にして人を多く呼び込んだ方が良いでしょう。
賃貸仲介業者への広告費を増加
賃貸仲介業者のモチベーションを上げるために、入居を決めてもらった際の広告費(AD)を増やしてあげることも効果があります。広告費は賃貸仲介業者の主な売上ですので「何カ月以内に入居を決めてくれたら、広告費を家賃1ヶ月分上乗せします」などのキャンペーン活動を行うことで、賃貸仲介業者は積極的に物件を紹介してくれるようになります。
賃料の見直し
上記の方法でも難しい場合、最終手段として、賃料の見直しをしましょう。
周辺の家賃相場より自分の物件の家賃が高くなっていないか確認した上で家賃の値下げをするようにしましょう。
室内リフォーム・設備の見直し
募集物件はキレイにリフォームされていますか?
賃貸仲介業者の営業マンは部屋が汚く、成約率の低そうな物件を貴重な時間を割いてわざわざ紹介したりはしません。次に入居する人が気持ちよく住めるよう部屋はキレイにリフォームしておきましょう。入居が決まってからリフォームをするのではなく、募集の段階でリフォームしておくのは当たり前のことです。
人気の設備を導入する
入居者に人気の設備を導入することで、空室をはやく埋めることが可能です。
人気の設備とは
- 無料インターネット設備
- テレビモニター付きインターホン
- 追い焚き給湯器
- 浴室換気乾燥機
- ウォシュレット付トイレ
- エアコン
などが挙げられます。
ファミリー向けと単身向けで人気の設備は少し変わってきますが、これら人気の設備を導入してあげることで、多くの人を呼び込めることができます。特に単身の女性向けであれば、テレビモニター付きインターホンは必須の設備といえるでしょう。
家具家電付きにする
家具家電付きにするという方法もあります。家具家電をオーナー側で用意し、部屋と一緒に貸し出すというものです。冷蔵庫や洗濯機などの大型の家電製品は引っ越しが楽になるうえ、買い替える手間もなくなりますので入居者にとっては魅力的です、特に引っ越しが多くなる単身向けの物件で効果が出やすいでしょう。コストと手間がかかるのが難点ですが、単身向けであれば検討するのもいいでしょう。
管理会社に依頼する
物件の管理を管理会社に任せるのも重要です。
管理会社に管理を依頼すると管理費として、家賃収入の3~5%ほど支払わなければいけませんが、
その分、管理会社はまず自分たちが管理している物件から優先して空室を埋めていきますので、管理会社に頼むことも空室対策として有効です。
まとめ
空室対策についてご紹介しました。特別な知識は必要なく、お金をかけることなくできる対策もたくさんありますので、ぜひ取り組んでみて下さい。これから物件を購入しようと思っている方は空室になりにくい物件を選ぶことで、空室リスクをさらに低くすることができます。物件選びのポイントは「良い収益物件を選ぶためのポイント」でご紹介していますので、あわせて参考にしてください。