立地がよく、駅近で賃料も問題ないのに入居がなかなか決まらない・・・
このような物件をお持ちの方もいるのではないでしょうか。そんな時は一度「女性目線」で考えてみるといいかもしれません。単身世帯が急増している今の時代。結婚に縛られることなく、自立して生活していく女性も珍しくありません。ここでは賃貸経営における女性目線の必要性についてご紹介します。
なぜ女性目線が必要なのか
女性は住環境に敏感といわれています。女性が気に入る部屋というのは住環境も良好な場合が多いです。そういった部屋は当然ながら男性が住んでも快適なのです。女性が敬遠する部屋というのは、それだけで借り手が半減してしまうことを意味します。また、現代では単身世帯の増加、生涯未婚率の増加に比例して「働く女性」も増加しています。厚生労働省の平成26年の調査では女性の労働力人口は2,824 万人と前年に比べ20 万人増加していますので、ファミリー向けだけではなく、単身向けのマンションであっても女性目線というのは決して無視することができない重要な要素だといえるでしょう。
男女での物件選びの違い
住まいに求めるものは男女でそれぞれ異なってきます。
男性の場合は、寝られればそれでいいという方や勤務先や駅から近ければいいという方が大半です。利便性を重視し、場所と家賃の兼ね合いで物件を決めるというシンプルな選択になります。
対して女性の場合は物件選びの際に重視する点が違ってきます。
防犯
女性は男性に比べて、防犯意識が高いといわれています。
モニター付きのインターホンやオートロックはもちろん、それ以外にもゴミ捨て場もチェックされる方が多いです。捨てたゴミが丸見えであれば不用心と思われてしまうでしょう。
部屋の構造についても「外から部屋の中が見えない構造になっているか」「洗濯置き場は室内にあるか」など気にされる方も多いようです。
環境
立地や利便性のほかに、日当たりや眺望も意識します。男性は「駅から何分」「近くにスーパーやコンビニがあるか」などシンプルに考えるのに対して、女性の場合は買い物や食事を楽しみたいという意識が強く、周辺の環境が便利かどうかを含めて総合的に判断する傾向があります。子供がいる母親であれば学区や公共施設も当然ながら考慮します。
内装
これは男性でも気にされる方は多いですが、内装はキレイかどうかをチェックします。
また男性と比べて、衣類や小物が多い傾向がありますので、収納スペースやクローゼットの大きさは十分かなども重視されます。
設備
女性にとっては生活空間は快適であってほしいという気持ちが男性よりも強いです。特にお風呂や台所などの水回りは長時間使うことになる場所ですので、物置きスペースのある洗面化粧台や浴室乾燥機などは特に需要が高いです。
細かく言えばまだまだありますが、このように女性は賃貸物件を選ぶ際の条件が男性よりも多い傾向があります。
女性限定のマンション・アパートもある
最近では女性の方が確実に貯蓄や収入を得ているという点から女性の経済力を評価し、女性限定のアパートやマンションというものも出てきています。女性の労働力人口は年々増加しており、20代・30代・40代いずれも高い就業率を示しています。転職のチャンスに恵まれやすく、なかなか仕事が安定しないことも多い男性に比べて、女性はパートなど働き方が柔軟で給料が少ない半面、安定して長く働く方が多いです。
また、資格や専門知識を持つことで仕事を長く続ける傾向もあるそうです。このように不況下でも女性の方が職を失いにくいと考えられてることから、賃貸アパート・マンションの「借り手」として見た場合にも、女性は魅力的であることがわかります。
物件の購入においても重要な「女性目線」
賃貸経営だけでなく、物件を購入する際においても女性の目線で物件を選ぶのは重要です。住環境についてはぜひ女性の意見をもらってみてください。
カップルやファミリーの場合、決定権は女性側にほとんどあります。女性は男性よりも長時間その部屋で過ごすことになるため、住環境には非常に敏感です。決定権を持つ女性に気に入られるということは、それだけ成約率も上がることになりますので、いい評価をもらえた物件は不動産投資を成功する確率もかなり高まるでしょう。
まとめ
今回は女性目線の重要さについて書きました。男性に比べて条件のハードルが高いですが、一般的に女性は男性よりも購買力が高いといわれています。女性のニーズに応えることができれば、少し家賃が高くても入居してくれることも多いです。女性の目線で考えてみることは、女性だけではなく高齢者や子どもなどの層の支持を得ることにもつながるでしょう。周辺の環境は自分で変えることはできませんが、女性向けにアピールするポイントとして覚えておいて損はありません。入居がなかなか決まらないといったお悩みをお持ちの方はぜひ女性の意見を聞いてみてはいかがでしょうか。